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    みくりーな憑依

    ピクシブに投稿したやつと同じやつです。











    346プロ女子寮。
    その一室で一人の少女がご機嫌そうに鼻歌を歌っている。
    どこかで聞いたことのあるような無いようなリズム、ロックバンドのものであろうか。
    首にかけたヘッドフォン、黒のジャケットに白地のキャミソール、原宿系の赤いミニスカート、そして栗色のショートヘアーに青緑の瞳。
    ユニット、アスタリスクに所属するクールなロック担当、多田李衣菜である。
    足を跳ねさせながら、リボンのつけられた小綺麗な箱を抱え、リビングのドアを開けた。
    綺麗に整頓された部屋、実家暮らしでここは本来彼女のモノではないのだが、勝手知ったると言った調子でただいまぁ、と声を挙げる。
    何も返事が無いのを全く気にせず、猫柄のラグの上にぺたんと座るとローテーブルに置いて丁寧に包まれた包装を剥がし始めた。

    「~~♪」

    所謂プレゼント、と言うやつだ。
    そこには多田李衣菜さんへ、と手書きで書かれたメッセージカードが張りつけられている。
    実は先ほど一人でレッスンをしていた帰りに、プロデューサーから声をかけられこの箱を渡された。
    この間、アスタリスクのライブを開催した際ファンの一人が、会場スタッフに届けたのだという。
    まだまだ駆け出しのアイドルである彼女にとって、こういった経験は初めてである。
    満面の笑みで受け取ると、家に帰る時間すらもったいなくてここに上がりこんだのだ。
    逸る気持ちを抑えながらも、中身を開ければそこには、クッションに包まれた自分もよく知るアレが入っていた。

    「ヘッドフォンじゃん!やったぁ……!」

    彼女のトレードマークともいえるそれ。
    しかもかなり質の高いモノのようだ、誰しもが知る有名なメーカーのロゴがついている。
    それに、色合いもかなりロックな趣で李衣菜はがばっと天に掲げて喜びを表した。
    包まれているビニールを取ると、早速コードを解いて音質チェックをしようとする。
    頭につけて耳へ当てると、重厚感がぐっと伝わり期待が更に高まってくた。
    ポケットから音楽プレーヤーを取り出して差し込み口へと接続する。

    「……あれ?」

    身体を傾けて疑問を大きく表す。
    音が聞こえないのだ、不良品かな?とか思いながら音量を上げたり下げたり、コードを抜き差ししてみる。
    何か説明書とか無いのかな、と思って箱を探ろうとすると、何かの音がした。
    ズリュ、ズリュと言う水の音だ。

    「……?」

    音楽は再生されていないし、特に部屋にも異常はない。
    一体何が起きているのか、李衣菜は身を竦めて辺りをうかがう。
    まさか、そのヘッドフォンの中に何かが居るとも知らずに。

    ドヂュッ!

    「~~~~~!!!!」

    目を見開き、ヘッドフォンを両手で抑えながら謎の感触に驚く。
    その何か、はみるみる李衣菜の耳の穴へと侵入し、中へと入りこもうとした。
    生暖かくて粘っこいソレが不快感を加速させる。
    全ての音が遠くなり、プールの中へ頭ごと浸かったような轟音が響いた。

    「ッ……ッ……!」

    ふるふると小刻みに震える李衣菜。
    瞳が収縮し、揺らいで涙が零れ落ちる。
    口は何かを紡ごうとするも、力が入らず半開きになって息が不規則に漏れた。
    時折肩や全身を小さく痙攣させ、表情を恐怖に彩る。

    「ぁ……ぅ……」

    暫くすると、青ざめていた顔が徐々に血色を取り戻し始めた。
    しかし、李衣菜は微動だにせずただテーブルの先の床を一点見つめ続ける。
    彼女の頭からはズチュ、ズチッと言うよろしくない水の音が聞こえていた。
    それが何十分と続く。
    強いて動いている箇所を上げるとしたら、瞼と呼吸のための横隔膜程度、だろうか。
    人のカラダは同じ姿勢でいられるようには基本的に出来ていない、だが彼女はそうさせられていた。

    「ただいまぁ、あれ?李衣菜チャン?どうしたの?」

    その静寂を破ったのはこの部屋の主、前川みくであった。
    落ち着いた茶髪のショートヘアー、そして透き通ったエメラルドグリーンの瞳。
    赤縁の眼鏡をかけた制服姿、いつものアイドルの姿とはイメージが違う。
    所謂前川さんと言われるスタイルだ。

    「あっ、みくお帰り!」

    ハッと意識を取り戻すと、特に何も無かったかのように振る舞う。
    同じ姿勢だったために足の血管が圧迫されて、かなり痺れているので動け無いようだ。
    不思議そうに見つめるみくに李衣菜もまた首を傾げる。

    「もー、らしくないにゃぁ。うりうりうりぃ~!」

    猫語を使いながらおちょくるみく。
    動けない事をいい事にくすぐり攻撃をくりだす。

    「うひゃひゃひゃひゃ!ちょっと、みく、やめっうひゃひゃ!」

    仲の良さそうな二人。
    李衣菜の鼻が風邪を引いたようにヒクついているのを、二人は気づくはずも無かった。






    数日後


    レッスンが終わり着替えた後、催した李衣菜はトイレに入っていた。
    スカートをたくし上げ、ショーツをずり下ろす。
    顔はどこか浮かなかった。
    乙姫のスイッチを押して小水を流し、一息つく。

    「……どうしちゃったんだろう、私」

    最近どこか自分の調子がおかしい。
    みくの部屋にずっと泊まっているのだが、彼女を見る目がなぜか変わってしまっていた。
    と言うより、変態っぽいというか。
    彼女の部屋の匂いとか嗅ぐとムラムラするし、レッスン中とかの汗の臭いとか、お風呂を上がった時のラフな格好とか。
    意外と胸が大きいんだなとか思ったり。
    意識するはずもない事を妙に意識している。
    この間は洗濯をしている際に脱いだみくの服の匂いを思いっきり嗅いでしまった。
    それを持ってバレないようにオナニーをしてみたり。
    今日に至っては、みくの洗濯前のショーツを拝借して穿いて過ごしているのだ。

    「おかしいよね、おかしいよね……だって、生理がもうすぐ来るから汚しちゃうかもしれないし……なんで、えっ、なんで……」

    猫柄の可愛らしいショーツ。
    ふと気になって彼女のデータを調べて居たらヒップのサイズが同じと言う事に気付いて。
    穿いてみたら全く違和感が無いほどぴったり。
    その興奮に包まれながら、と言うのは背徳感たっぷりなのであるが、問題だらけだ。
    クロッチ部分にはナプキンがついているが、初日から量が多いパターンだと少し血がついてしまうかもしれない。

    「うぅ……と、とりあえず今日は帰って早く誤魔化そう、うん。もしかしたらみくに気づかれるかもしれないし……ヒッ!」

    オロオロと小水を拭く事も忘れて考え事をしていた李衣菜。
    唐突に身体が反り、ヒクヒクと痙攣する。

    「あ……ぁっ……あぁ……」

    あの時と同じように目が虚ろになり、カクッと首を項垂れた。
    涎がつつー、と漏れ出す。
    その後を追うように、李衣菜の薄い口から青色の液体が顔を出した。

    「ヴぇっ…う゛ぁ……ごぽっ……」

    汚い水の音を発し、全身がポンプになったかのようにゆっくりと脈動する。
    その度にその液体……スライムだろうか、ソレが彼女のカラダを伝っており始めた。
    服に全く染み込まない謎のソレは、小玉のスイカ程の大きさとなって一つに纏まる。
    目指す先は、無意識に広げられた股間部分だ。
    器用に隠しているスカートをめくり上げ、むっちりとした太ももへとたどり着く。
    少し濃い目の毛に包まれた秘部に狙いを定めて中へと入りこむ。

    「んっ……あ゛ぁ……」

    ぽっかりと空いた口からは無意識に汚声が漏れ出る。
    虚ろな意識の中、李衣菜の誰も知らないそこはスライムによって蹂躙されつつあった。
    ズリュッズリュッと奥へ奥へと進んでいく。
    彼女の膣は侵入者に対して受け入れの姿勢を見せ、愛液を分泌してそれを助長した。
    排卵日に入ったカラダはとにかく孕みたがっている、それはアイドルであっても違いは無いのである。

    「お゛っ!」

    瞬く間にそのスライムは李衣菜の子宮口の隙間へ染み込み、じわじわと広げて行く。
    目指すのは、その奥にある卵子。
    彼女のDNA情報を読み取り、それと同一化することで乗っ取りを完全に完了するのだ。
    普通に身体……神経へ接続すれば拒絶反応が出るのは当然。
    故に彼は李衣菜のカラダの中でずっとこの機会をうかがっていたのである。

    「い゛っ……ひぃっ!」

    ゆっくりと目当てのモノを絡みとると、スライムは彼女の子宮を住処へとしていく。
    例えるならば、大型ロボットのコックピットにしている、と言えばいいだろうか。
    李衣菜の神経が一つ一つ乗っ取られ、身体の主導権を奪われて行く。

    「あ゛っ……あ゛ぁ゛……!」

    更に、彼女の脳にも接続、その記憶を全てスライムへとコピーし始めた。
    シャツに包まれた腹が脈動し、作業を進めていく。
    彼らが操作しやすいように微調整を繰り返した。
    ジワリ、と染み込み、足や内臓、胸などの全身へと。
    特に神経系……性感帯である膣や陰核、子宮や胸などは念入りに増築していく。

    「んひっ゛……あ゛ひぃ……!」

    蕩けた顔をしながら李衣菜は、自らが変わっていく事を自覚せずに乗っ取られていった。
    カラダは完全に受け入れ、もうどうしようもなくなっている。
    ホロリ、と涙が流れた瞬間、大きく身体を痙攣させた。

    「ぎっ……!あ゛、あ゛ーー……さいきどう、いしきの、さいきどうちゅう……ぜんしんしょうあく、かん、りょう……」

    まるで機械のような音声。
    光の灯らない目で、間延びした声を発する。
    ふっと瞼を閉じ、数瞬するとニヤリと嗤った。

    「あ、あー。私は多田李衣菜、多田李衣菜……サイズは80、55、81……うん、オーケーだね。人格のコピーも完全に完了しているし、身体の調子もばっちり!」

    両手をぐーぱーと開き、そのカラダの具合を確かめる。
    どうやら気に入ったようだった。
    ニッコリとほほ笑むと、小水を拭くのも放り出して立ち上がり、グッとショーツを喰いこませる。

    「あぁ~、このスレンダーなボディも、ちょっと凛々しい顔も全部俺のモノかぁ……ステージで見た時もう一目惚れしてしまったもんなぁ……フヒッ、でもやっぱり李衣菜ちゃんだけじゃぁ片手落ちだからねぇ、きちんとアスタリスクで揃えておかないと、ロックじゃないよね?李衣菜ちゃん……?そうだね!みくを仲間外れにするとかロックじゃないよね!……って事でぇ、みくちゃぁん、待っててねぇ……どぅふふふふ……」

    ここが事務所のトイレだという事も忘れ、気持ち悪い独り芝居をさせられる李衣菜。
    扉を勢い良く開けて二人の部屋へとスキップしながら向かうのであった。




    大きなキャリーバッグを引きながら歩いてくる少女。
    猫耳アイドルの前川みくである。
    春休みを利用した地方営業に初めて参加した彼女は予定の合わなかった李衣菜を置いて数日間日本中を駆け回っていた。
    それがようやく終わったのである。

    「はぁ~~~~疲れたにゃ……個人営業とかやってられないにゃ……ただいまぁ」

    くたくたになりながらドアを開ける彼女。
    しかし、その疲労が吹き飛ぶほどの光景がそこはあった。
    まず、入るとむせ返るほどの変な臭いがする。

    「……ッ♡♡ッ!!♡♡」

    更に、くぐもったような声が聞こえてきた。
    一体何ごとかと首を傾げるみく。

    「にゃ?李衣菜チャ~ン、居るのにゃ~?」

    声をかけても返事は無い。
    はぁ、と乳酸を貯めこんだ足に鞭を打ってスニーカーを脱ぐ。
    と、また耳が声を拾う。

    「……ぁっ♡♡らめ、これ、きもちいっ♡♡♡李衣菜の気持ちが、溢れ……んぁっ♡♡」

    李衣菜の声だ。
    一体どういうことなのかよく分からないが、とにかく確認せざるを得ない。
    リビングのベッドの方に行くと、みくは驚愕した。

    「り、李衣菜ちゃ……ひっ!?な、なにをして……」

    裏返った声、固まる身体。
    今までいろんな修羅場を乗り越えてきた彼女であるが、これは予想もしていなかった。
    半裸で相方である李衣菜がベッドを占領している。

    「あっ♡♡♡みくぅ、おかえりぃ♡♡♡もうちょっと遅いかと思ったんだけど、早かったね♡♡」

    いや、それだけならよかったのに。
    とろんとした顔をした李衣菜はみくに気付くと、色っぽい視線を向けた。
    その手には、みくの良く知る大切な商売道具が。

    「李衣菜ちゃ、なに、して……それ、みくの猫耳……」

    そう、猫耳カチューシャである。
    あろうことかソレを、李衣菜は自らの秘部に突っ込んでいた。
    端的に言えば、オナニーをしていたのだ。

    「あー、丁度いいのがなくってさぁ♡カチューシャの部分、ざらざらしてて気持ちいいし?みくもしようよぉ♡♡」

    みくの視線を全く気にせず、グチグチとピストン運動を再開する李衣菜。
    彼女は、一体どういう気持ちでそれを見ていたのだろう。
    困惑?怒り?悲しみ?それとも失望?

    「ど、どうしたの李衣菜チャン!おかしいよ!えっ、なんで……ひっ!」

    みくは声を荒げて非難する。
    それもそうだ、自分の大事なモノをそんな扱い方されれば誰だってそうなる。
    しかし李衣菜は、意にも介さずカチューシャを抜いて愛液だらけのソレを見せつけた。

    「だってさぁ、私、みくのことが好きで好きで仕方なくて……ほらぁ、これ見てよ。みくが昨日穿いてたショーツ……♡♡私変態だよね、ロックじゃないよね……♡♡」

    ベッドを軋ませ、ゆらりと立ち上がる李衣菜。
    スカートの端をつまむと、ぺろりとソレを見せつける。
    猫柄のショーツ、クロッチ部分は彼女のモノでグショグショだ。

    「やっ……こ、こないで!」

    一歩、また一歩と近づく李衣菜に、みくは腰を抜かせてしまった。
    バタバタとフローリングに足を滑らせながら、距離を取ろうとする。
    首を振って下唇を噛んだ。

    「どうして?いっつも一緒にやってきたじゃん?なのに、裏切るの……?」

    悲しそうな目をする李衣菜。
    その表情と声は沈み切ったように暗い。

    「裏切ったのは李衣菜チャンの方でしょ……!!」

    理不尽なその言葉に、みくは感情を吐露した。
    悲痛な叫び声、目尻からは涙が零れる。
    はぁ、はぁと呼吸を荒げて、キッと睨み付けた。

    「ねぇ、みくぅ……がぼっ……あ゛っ、ぞん、な゛、ひどいごど、いわ゛ない゛で……げぼっ……」

    李衣菜は、その言葉を聞いた途端ガクッと痙攣を始めた。
    ゴボ、ゴボと水の音を立て、ドロリと口から青いスライムを吐き出す。
    彼女の眼がアイスブルーへと変わった。

    「ひっ、なに、何なの……」

    突然の事にみくは思考が追いつかない。
    何かのドッキリ?映画の撮影?そんな雰囲気すらする。
    でも、こんなの放送出来る訳ないしPちゃんがこんな仕事取ってくるはずがない。
    これは本当に現実なのだろうか。

    「ゲボッゴボッ……あ~ぁ、李衣菜ちゃんの気持ちが抑えられなかったや……ごめんね、みくちゃん。怖がらせるような事して……」

    何度かむせ返ると、李衣菜はニタリ、と嗤った。
    いつものサバサバとした口調ではない、スライムのようなねっとりとしたもの。
    みくは今目の前で起きている現象を理解したわけではなかった、が直感で一つの答えを導き出す。

    「李衣菜、チャン、じゃない……誰、あなた、だれなの……」

    震える声で絞り出す。
    これは彼女ではないと……もしかしたら願望なのかもしれない。
    李衣菜がこんなことをするはずがない、と。

    「猫語が無いみくちゃんも可愛いね……♡♡記憶でしか見たことないけど、真面目な君も素敵だよ♡♡」

    その台詞はある種の肯定であった。
    みくは一瞬で恐慌状態へと陥る。
    現実ではありえない事が、今目の前で起きている。
    自分に何かできる事などありはしない、なら答えはひとつ。

    「怖い、こわいこわいこわい!誰か、誰か助けt……!」

    足をひきずりながら四つん這いで玄関へと這って逃げようとする。
    しかし、それは叶わないことであった。
    氷柱のように尖ったスライムが、みくの頬をかすめて壁に突き刺さる。

    「ダメだよぉ、誰かを呼んだら?ここはアイドルの宿舎だから夜に練習しても大丈夫なように、防音はきっちりしているみたいだけど?流石に全力で叫び声とかあげられたら誰か来ちゃうかもしれないもんねぇ。でもほら、大丈夫。みくちゃんはそんなことしないよね?大事な大事な李衣菜ちゃんのカラダを傷つけさせるような真似、なんてしないよね?」

    ニタニタと笑みを浮かべる李衣菜。
    みくがそんな事をしないって分かり切っている表情だ。
    それも含めて、彼女は考える。

    「…………」

    ギリッと歯ぎしりをするみく。
    睨み付け、ただ悔しそうに目尻を上げた。
    李衣菜は更に言葉を重ねる。

    「みくならわかってくれるよね?私の事を大切に思ってくれているんだもの。私を犠牲にしようとなんてしないよね?ずっと一緒にやってきたんだから、さ。」

    スライムの先端が李衣菜の首元へ差し出される。
    沈黙はダメだと、貴女が声に出して選択をしろと言っているのだ。
    唇を震わせ、みくは言葉を紡ごうとする。
    喉が張りついて中々出てこないのをもどかしく思いながら。

    「何が、望み、なの……」

    それに李衣菜は嬉しそうに笑みを深めた。
    頭をボリボリと掻いて、ニュルリとスライムを撫でる。

    「簡単だよ、みく。みくのカラダが欲しいの。私よりもえっちなそのボディを乗っ取りたいの。ダメかな?ダメならやる事は決まっているんだけど……」

    ねっとりとした視線で彼女のカラダを舐め回す李衣菜。
    今まで向けられたことの無い不愉快なモノ。
    まさか、彼女に対してそう思う事になるなんて、みくは心の中で悲しんだ。

    「わ、わかった!わかったから!その代わり……」

    そうしなければ李衣菜は恐らく殺される。
    避けなくてはいけないのはそれだけだった。
    望むのなら、二人一緒に無事で居たいけども、かと言って自分が逃げ出すのは嫌だ。

    「その代わり?」

    李衣菜はきっと嫌がるかもしれない。
    それでも、自分の選択で後悔をしたくなかった。
    ロミオとジュリエットみたいな状態だけど、李衣菜ならそんなバカな真似はしないと信じて。

    「私の事は好きに扱っていい、けど、李衣菜ちゃんだけは解放して。酷い事、しないで」

    実際のところ、交換条件にすらなっていない。
    しかし李衣菜はそれを快く受け取った。
    何とも満足そうな顔、不気味ですらある。

    「ふふ、いいよ、みく。私には酷い事しないって約束してあげる……♪その代わりたくさん言う事、聞いてもらうからね……♡」

    じゅるり、とスライムが脈動して一部分が変化し始める。
    それは蛇のようにしなると、ぷつっと途切れて李衣菜の手元に落ちた。
    細長い30センチほどのスライム。

    「今度は、何なの……!」

    極太のミミズのようだ。
    半透明のソレは李衣菜の手が透き通って見える。
    みくは本能的に恐怖を抱いた。

    「ダメだよみく、今は猫語じゃないと……」

    ニヤ、と嗤って指摘する李衣菜。
    今ここで言う事を聞かないと……
    ごくりと唾を飲み、目を合わせる。

    「何、をさせる気にゃ……」

    商売道具である猫語、それを無理やり使わされる屈辱。
    みくは精神をすり減らされていた。
    李衣菜もそれをしっかりと分かっている。
    故に笑みを深めたのだった。

    「これね、尻尾だよ尻尾。みくのカラダに似合うんじゃないかなぁって思うんだぁ。ほら、お尻を上げて?」

    ベッドに誘導し、四つん這いに尻を高く上げさせる。
    ピンク色のフリフリとしたミニスカートのワンピースから、これまた猫柄のヒップハングショーツが露わになった。
    好奇の視線にさらされるのを恥ずかしがりながら、みくは枕に顔をうずめてしまう。

    「う、うぅ……これ、でいいですかにゃ……」

    小声になるみくにたいして、小さな手でその大きな尻を撫でる。
    綿のショーツの感触を味わいながら、奥にある肉を愛でた。
    李衣菜の言葉も思わず弾んでしまっている。

    「可愛いショーツ……♪いやぁ、まさかみくがこんな破廉恥な姿を見せるなんて……濡れてきちゃうなぁ、このショーツもみくのお気に入りだもんね、そう言えば地方の営業とか言ってたから洗濯物溜まってるでしょ?みくのカラダを頂いた後に存分に楽しませてもらおうかなぁ……」

    ウヒヒ、と後ろにあるキャリーバッグに目を向けた。
    あそこにもお宝の山があると思うと、李衣菜は気が急いてしまう。
    待っていても逃げないのだが、ご馳走は温かいうちに食べたいのだ。

    「もうやだ……にゃ……」

    ぐすっと鼻をすするみく。
    その姿に李衣菜はポンッと頭を撫でてやった。
    ぐしぐしと柔らかい髪の毛が絡みつく。

    「良くできたね、偉い偉い。ご褒美にみくのアスタリスクに、えいっ♪」

    それと同時に、ショーツをグイッとずらすと、菊穴に息をふきかけた。
    ヒクッと縮み上がるみくのカラダ。
    抵抗しなかったのは彼女の矜持であろうか。

    「ひっ!やぁああああああっ!!!!」

    先ほど出てきたスライムの棒が彼女の尻に突き刺さる。
    ビチビチと釣り上げられた魚のように暴れたソレは、途中まで突き進むと、ぴたりと止まった。
    そのまま、海中に漂う水草のようにゆらめく。

    「どう?感覚も繋がっているから自由自在に動くと思うんだけど」

    そう、尻尾と言うのは比喩ではなかったのだ。
    みくのカラダに癒着し、実際に動かすことのできる尻尾。
    勿論、このままだと生活に支障があるので着脱は簡単に出来るようになっているのだが。

    「やだやだやだっ、こんな、こんなのぉ……ぐすっ、うぅ……」

    みくは汚い穴を犯され、弄ばれたことにショックを隠せない。
    それも当然ではあるが李衣菜にとっては何とも不満げな反応だ。
    まぁそんなものか、とも思って居るのだが。

    「え~、気に入ってくれると思ったのに……まぁいいか、じゃぁ早速始めるね。」

    唇を尖らせながら、李衣菜はみくの身体をひっくり返した。
    驚く彼女に跨るとそのまま薄い口へとキスをする。
    舌を突っ込み、目を合わせて抵抗しないようにくぎを刺した。

    「んむっ……うぅ、やっ……李衣菜ちゃ……」

    漏れる息をも逃さぬよう口を塞ぎ、舌を絡め、歯をなぞり歯茎を愛でる。
    鼻息が当たるのを気にもせず存分に味わった彼女は、ゴクリと唾液を飲み干した。
    唇を離せば、つぅと二人の間に銀色の橋がかかる。

    「えへへ、ファーストキス、奪っちゃった♡」

    小悪魔のように舌なめずりをして二人の体液を余さず口に含んだ。
    みくはと言えば、このような形でファーストキスを奪われたことに悲しんでいる。
    いや、これからさらに尊厳を奪われて行く事を考えれば涙すら零れるだろう。

    「……ッぐすっ……」

    鼻をすすり、目を赤くしながら睨むみく。
    李衣菜はそれに対して優しく微笑むと、涙を舐めとってやった。
    しょっぱい味が口に広がる。

    「泣き顔のみくも可愛いよ」

    ニッと、多田李衣菜らしい笑みを向けてやるが、みくは不満そうであった。
    みくにとっては彼女は別の何かで、李衣菜ではないからだ。

    「あなたに言われても、嬉しくなんかないにゃ……」

    ぷいっと目を別のところにやって不服を露わにする。
    しかし李衣菜は特に傷ついた風でも無かった。
    子供が拗ねて居るようにしかみえてないのであるから。

    「ふぅん……まぁ、そのうち分かるからいいや。次はおっぱいだねぇ……本当みく、大きいよね。確かFだっけ?15歳でそのサイズって本当ずるい……ふふ、乳首ぷっくりしてる。やっぱり興奮しているんだね?」

    ワンピースをたくしあげてピンク色のブラの隙間から豊満な胸を揉む。
    もっちりとしたそれは、若々しさに溢れていて張りが強い。
    背中を起こさせ、ブラを外しながらペロンと全部を脱がせてしまった。

    「しらない……」

    言葉にすることは無い、といった状態。
    ここまで来ると脅すのも面白くないだろう。
    気にせず李衣菜はその果実を味見することにした。

    「いただきまーす♪はむっ……じゅるっ……じゅぱっ……」

    ピンク色の小さい乳首を見据え、李衣菜は口に含む。
    ちぅちぅと吸ったり、舌で転がしたり。
    歯で甘噛みもしてやった。

    「ッ……ぅぅ……んっ、あっ……」

    口を紡いだみくから、細い息が漏れる。
    否が応でも感じる部分だ。
    みくは歯を食いしばっていた。

    「ん~……じゅるるる……ふはっ……感じているんでしょ?」

    棒付きの飴を舐めたかのように水の音をたててニヤつく。
    悪戯っぽい目を向け、ニタリと嗤う。
    みくは肩を振るわせながらも強く否定した。

    「ち、ちがう……にゃ……」

    しかしながら、その顔は少し蕩けかけている。
    唇からも涎が垂れていた。

    「そう言っている割に、こっちもぐしょぐしょじゃん?」

    李衣菜はそのまま手で優しくみくの秘部を撫でてやった。
    少し触るだけで、ショーツのクロッチ部分はグチ、と音を立てる。
    指先にはねっとりとした愛液がこびりついていた。

    「ひゃぁぁっ……」

    流石のみくもこれには声を抑えきれなかったようで。
    ハッと気づくと手を口に当てて声が出ないように抑える。
    その姿がとても愛おしいと李衣菜は思った。

    「ん~、どうしようかなぁ、もっと虐めたいところだけど……耐え切れないなぁ♡♡」

    スカートをたくしあげ、ショーツを脱ぐと秘部がモゾモゾッと動き、ズルリとスライムが出てくる。
    それは男性器の形をしていた。
    レディースコミックで見たことがあるが、それよりももっと凶悪な形。

    「ひっ……」

    思わず引き攣った声が出る。
    それが、自分の中に入ってくるというのだろうか。
    本当にするつもりなのかと李衣菜の顔を見たが、見なければ良かったと後悔した。
    情欲に満ちた彼女の眼は、ケダモノのようであったからだ。

    「じゃ、お邪魔します♪」

    ショーツのクロッチをずらすと、李衣菜とは違って毛の生えていないつるつるのそこが露わになる。
    自動でうねるスライム逸物は的確にみくの入り口を探り当てると、感じ取った李衣菜が思いっきり腰を打ちおろした。
    柔らかいそれは初めてのみくのナカをかき分け、奥にまで到達する。

    「んんんんんんん!!!!」

    未知の快楽におびえるみく。
    オナニーはしたことあれど、こんな大きいモノを入れたのは初めてだ。
    更に、ずんずんと膨らんで中を圧迫し始める。

    「んはぁぁぁ、気持ちいい♡♡」

    李衣菜は舌を突き出して男の快楽に酔いしれた。
    グチュッグチュッとピストン運動を開始する。
    スライム陰茎は、みくの膣内にぴったりとハマり、腹の中をかき乱した。

    「やらっやらぁ……後ろも動いて……!」

    それに連動して、後ろの尻尾もまた動き始める。
    排泄の時のような放出感と、膣を圧迫するうねり。
    みくは為す術も無かった。

    「あぁ、みくの中、サイコー……♡♡」

    正常位で犯しながら李衣菜はみくにキスをする。
    舌がふれあい、それだけで頭がチリチリとしてきた。
    思考が飛んでいきそうになる。

    「うううううう……んっ、ぁっ……んひっ……」

    両手を押さえつけられたみくはそれをそのまま受け入れ、李衣菜と舌を絡める。
    例え精神が拒否していても、カラダはどうしようもなかった。
    グズグズに溶かされた精神は受け入れることでしかその形を保てないのだ。

    「はぁ、はぁ……♡♡らめ、やば、凄い締め付けてくる……!」

    みくの胸を揉めば、更に締め付けを強くしてくる。
    李衣菜は絶頂の予感を高めて行った。
    リズミカルな注入速度が速まっていく。

    「やらっ、だめ、だめぇ……」

    女の本能として、みくも感じ取っていた。
    中に出される、と。
    どのようにして乗り移るかは分からないが、恐らくこれで終わる。

    「んっ、出すよ、みく……!」

    熱っぽい瞳で見下ろす李衣菜。
    もう一度みくと熱いキスをする。
    思い残しの無いように。

    「らめぇえええええええ!!!」

    叫ぶ彼女の声を塞ぎ、中へと注ぎ込む。
    何度も、何度も律動を繰り返して熱い液体がみくの子宮へ染み渡った。
    ギュッと抱きしめながら暫く温かさを感じ、ゆっくりと抜く。

    「はぁ、はぁ、はぁ……あぁ、気持ちよかったぁ……」

    ヌポンッと小気味いい音を立てて出るスライム。
    その先からは、少し薄い青い液体が精液のように垂れ流されていた。
    みくは一時放心状態だったが、思い出してバッと身体を跳ね起こす。

    「なんで、まだりーなちゃんのカラダを……!」

    そう、これで自分は乗っ取られて、彼女は解放されたはずなのに。
    一体どうしてこうなったのか。
    睨み付けるみくに対して、李衣菜はニッコリと笑みを向ける。

    「人聞き悪いなぁ、まだ途中なんだって。ここからみくちゃんのカラダを私が移動できるようにするんだから、こんな風に孕ませて、ね?」

    李衣菜もまた服を脱ぐと、その姿を現した。
    みくは思わず驚く、何故なら李衣菜の胸が少し膨らんでいて、更に乳首が黒ずんでいた。
    きゅっと乳を搾れば、白い液体が湧き出てくる。

    「ッ!?」

    唖然とするみく。
    もう何度目だろうか、それに李衣菜は苦笑して答える。

    「驚いた?乗っ取るって事は孕ませるって事……でも内心安心しているでしょ?排卵日までは時間があるから、それまでに誰かに助けを呼べばいいって」

    そう、みくは内心安心していた。
    孕ませられないなら、乗っ取られる心配はない。
    でも、じゃあ何故約束をしてまで犯したのか、やはり反故にする気なのだろうか、ずっと自分を監視するのも出来ないはずなのに……

    「でもそれは知ってたんだぁ。りーなちゃん、実はみくちゃんの事大好きだったんだろうねぇ、生理周期まで把握しているんだから……」

    知っていた、なら何故?
    もしかして今注ぎ込まれたモノも何か関係があるのだろうか。
    みくの頭の思考が駆け巡る。

    「ねぇ、猫好きなみくなら分かるよね?猫って妊娠率はほぼ100%、なんだよ?交尾をすると、卵子を出しちゃうの」

    李衣菜は突然別の話題を持ちだした。
    猫は発情期に交尾をすると、その衝撃で卵子を吐き出す性質を持つ。
    故に大体妊娠してしまうものなのだが。

    「それに、何の関係が……」

    怪訝な顔をするみく。
    言葉の続きを待つまでもなく、李衣菜はスライムをみくの耳に突っ込んだ。

    「えいっ♪」

    「ひぎっ!!」

    ガクガクと震えるみく。
    自由の効かない手で耳を触れば、ねとっとした感触が広がる。
    歯をガチガチと鳴らし、恐怖におびえた。

    「みくのぉ、排卵スイッチ押しちゃいましたぁ♡♡♡」

    そう、脳を操り無理やり排卵するよう促したのだ。
    正確には子宮の筋肉を動かした、と言う方が正しいだろうか。
    一個、備えられていた卵子が子宮へと排出される。

    「やっ、やだやだやだぁ!!!」

    叫ぶみく、目を開いて涙を流す彼女が一瞬で静止した。
    全身を痙攣させ、身体が乗っ取られて行く一部始終を李衣菜に見られる。
    李衣菜は満足げにみくを抱きしめ、その震えを味わった。
    数分後、カクッと全身の力が抜けたみく。
    目を開けるとそこには、『いつもの彼女』が居た。

    「前川みくにゃんのカラダ乗っ取り成功にゃ♪あぁ~、最高……ロリっぽいのに滅茶苦茶むっちりしてておっぱいも大きいスケベボディだぁ……♡♡うっほぉ、やわらかっ……やっぱり自分のカラダにあると実感が違う……にゃっ♪」

    ショーツ一枚のみく。
    自分の胸をむにむにと興味津々で揉み、そのカラダを味わう。
    勿論、李衣菜と同じように神経を太くした状態で。

    「もう、遅いよみく。待ちくたびれたじゃんかぁ……」

    李衣菜は口をとがらせて不満を口にする。
    事実、かなり待ったのだ、彼女の中では。

    「ごめんにゃ、思っていたより頭が回るからちょっと苦労したけど、最後に絶望しながら乗っ取られて行くみくは素晴らしかったにゃぁ……♪だって、イきながら乗っ取られちゃったからにゃ♡♡」

    えへへ~、と笑うみくだが、途中で恍惚の表情に変わる。
    自分がどうなっていたかを客観的に視ながら主観的に体感していた。
    乗っ取りの醍醐味、である。

    「それ変態じゃん!」

    「李衣菜チャンに言われたく無いにゃ。散々さっきはやられたから、次はこっちからやらせてもらうからにゃ♡」

    彼女の鋭い突っ込みをのらりくらりと躱し、次の手順を決める。
    と言っても、もう後は二人のカラダを存分に味わうのみ。
    先ほどは李衣菜攻めだったので、攻受交替だ。

    「むぅ、わかったわよ。さっきは私が楽しんだし……?」

    はぁ、と言いながらころんと体位を変えて、李衣菜がベッドに寝転がる。
    そしてみくが上に覆いかぶさってにひひと笑った。
    餌を与えられた、まさにネコのようである。

    「んふふー、みくのココロが捻じ曲げられて李衣菜チャンの事を滅茶苦茶にしたいヘンタイにさせられちゃったからにゃ、責任とってもらうにゃ♡♡」

    ドンッとベッドに手を突いて舌なめずりをするみく。
    先ほどの李衣菜のようだ。
    口をぐいっと近づけて舌を絡める。

    「んむっ……はむっ……」

    みくが積極的に舌を突っ込み、お返しと言わんばかりに口内を蹂躙した。
    じゅるっじゅるっと卑猥な水音をたてる。

    「責められている李衣菜チャンも可愛いにゃぁ……?おろ、責められているのは慣れていない、にゃ?」

    口を離せば、顔を真っ赤にしている李衣菜が視界に入った。
    腕で口を拭きながら目線をどこかにやっている。
    肩で息をしているところから、かなり息が上がっているようだ。

    「う、うるさい!さっさとやればいいでしょ!私だって、みくの事が好きでたまらないヘンタイにされているのは同じなんだから……!」

    くっ殺せと言う女騎士のようだ。
    その雰囲気に、みくは加虐心を大いにくすぐられる。
    まだ全部脱いでいない彼女をなじる。

    「じゃぁ早く全部脱ぐにゃ。それともぉ、みくのカラダの方スタイルがいいから、見せたくないにゃ?」

    スカートとショーツはまだ脱いでいない李衣菜。
    それに対して脱ぐよう遠回しに命令する。

    「なっ……!そんなわけないし!」

    ばっと胸を腕で隠すが、そんな姿すら可愛げがあった。
    やはり気にしていたのか、と思いつつやんわりと腕を降ろさせ、胸を揉む。

    「まぁこれからいっぱい揉んで育ててあげるから心配しなくていいにゃ、下着も共有できるようにスタイルも管理しないとにゃ♡♡」

    尻のサイズは同じなのでそちらは順次……
    胸が高鳴ってしまった、李衣菜の下着もシンプルだが可愛いのである。
    李衣菜はと言えば、口をとがらせてみくの胸を掴んでいた。

    「むぅ、そっちが大きいのをいい事に好き放題言って……」

    ため息をつく李衣菜。
    それに対してみくは、ある提案をもちかけた。

    「じゃあ折角だし、取り換えてみるにゃ?どちらにせよ基本的にはこのカラダで過ごすことになるだろうし……」

    身体の交換。
    互いの子宮はコックピットになっているという例えをしたが、そこを動かす人間は移動できるのかと言う話。
    答えは可能である。
    つまり、疑似的に入れ替わることすら出来るのだ。

    「おっ、いいねぇ。それロックだよ!」

    李衣菜は我が意を得たりと言わんばかりに同意をする。
    彼女もまた、豊満なみくのカラダに興味を持っていた。
    捻じ曲げられたアスタリスクの二人は歪んだ愛情を開花させられてしまっていたのである。

    「よし決まりっ!みくから抜けるから、ヘンな事しないでね?……ん゛っ♡♡……あ゛っ、はぁっ、オ゛っ♡♡ン゛ああああっ♡♡♡♡♡」

    ぐちっと、李衣菜から生えるスライム陰茎を自らに迎え入れると、グッと力みだした。
    情けない声を挙げ、アヘ顔を晒しながら子宮内のコアを出産する。

    「もう気が早いんだから……私も……お゛っ♡♡……え゛っへ、へぇ♡♡♡ん゛お゛ぉぉぉぉぉぉお゛♡♡♡♡♡♡」

    李衣菜もまた、同じように身体を力ませる。
    二人の美少女が出してはいけない声、見せてはいけない顔をしながら重なり合っていた。
    ファンが見たらどう思うだろうか。
    そうこうしている間に、繋がれた管を通ってコアがにゅるんと交換される。
    保護の為に二人を繋いでいたスライム陰茎は二分割され、収納されていった。

    「あ゛♡ひっ♡ん゛お゛っ……ふぅ、みくのカラダ、ゲットぉ♡♡♡」

    「ひあ゛……ん゛ひぃ♡♡♡お゛っほぉ♡♡……はぁ、李衣菜チャンのカラダにゃぁ♡♡♡」

    ヒクッビクッと身体を痙攣させると、二人のカラダはその動かす魂を取り換えた。
    勿論、脳ミソは当人のモノなので成りすますことも出来るし、記憶を参照することも出来る。
    二人は目を合わせるとニヤリと嗤った。

    「へぇ、やっぱり全然身体の感じとか違うんだねぇ、なんだか不思議な気分♡♡」

    みくのカラダで李衣菜がぐいっぐいっと調子を確かめる。
    特にプロポーションについては念入りに、胸の重さ等々。

    「みくも変な感じするにゃ♡♡でも李衣菜チャンのも素敵にゃ♡♡」

    李衣菜のカラダに入ったみくも同じように。
    身体を抱きしめて少し細いカラダを感じ取っていた。

    「これ、だめかもしれない……私のココロで、みくのカラダの気持ちが抑えきれなくて、ぐちゃぐちゃになる……♡♡」

    だがそれがいけなかった。
    二人の相性が良すぎたのか、魂と脳みそが混線を起こして混ざり合い始めていたのである。
    李衣菜はふらふらと、みくを抱きしめた。

    「確かに、提案したのはみくだけどこれ、だめ、あぁ……♡♡♡李衣菜ちゃぁん♡♡」

    みくもまた逆上せたような表情で李衣菜に抱き着く。
    全裸の身体をこすり合わせ、柔らかい肌の感触を味わう。

    「んぁっ♡♡キス、だめぇ……いきなりそんな事したら……あひっ♡♡」

    磁石のように引かれ合うと、二人は情熱的なキスを交わす。
    どちらが攻めか受けかなど関係ない。
    ただ欲望のまま、口の周りが汚れる事も構わずに。

    「李衣菜ちゃんもずるいよぉ、尻尾で攻撃してくる、なんてぇ♡♡んはぁ♡♡」

    李衣菜もまた、みくのカラダに生えた尻尾を使ってお互いの秘部を撫でる。
    もどかしい感触が二人の脳髄を焼いた。
    どろり、と愛液が垂れる。

    「あっおっぱいぃ♡♡ぷっくりしてるぅ、らめ、舐めないでぇ♡♡大きいから感じるところが広くて♡♡みくのカラダえっちすぎ♡♡」

    李衣菜の豊満な乳房を揉み、膨らんだ乳首へ吸い付くみく。
    元、自分のカラダなのに愛おしくて仕方がない。
    夢中になってしゃぶり続ける。

    「はむっじゅるぅ……♡♡李衣菜ちゃんだって摘まんで♡♡きてて、らめっ、小さいのに敏感♡♡♡だよぉ……♡」

    みくの形の整った乳房を覆って乳首を指で挟む。
    李衣菜もまた、元々自分のモノだったカラダに夢中だった。
    コリコリとした感触が堪らない。

    「やらっ、まだ、まだみくのカラダは出ないからっ♡♡おねが、吸わないでっ♡♡」

    まるで子猫が親のミルクをせがむように執拗に責めるみく。
    いずれは出る事になるのであろうそれを、一刻も早く飲みたいとせがむ。
    ちぅちぅと吸っていると、思わず安心感が溢れ出してしまった。

    「んむっぷはっ……だって♡♡李衣菜ちゃんのカラダ、どんどんおっぱい作ってて♡♡摘ままれる度に出てるにゃ……らめぇ♡♡」

    李衣菜のカラダの方は大量のミルクを噴出し、みくの腹を汚していく。
    だがそれを気にする二人でもない。
    ドロドロに蕩け合っていく。

    「戻った時に存分に吸わせてあげるから、今は♡♡あんっ♡♡我慢できなくなっちゃうぅ♡♡」

    身をよじる李衣菜。
    尻尾がうねると、先端がみくの秘部をクイクイと撫でた。
    入りたいと望んでいるのである。

    「にゃっ!?あっ、尻尾が……あはぁ♡♡♡」

    それだけで腰が崩れそうになるみく。
    李衣菜はねっとりと笑うと、尻尾をひっつかんで抜いた。
    尻から強烈な快楽があふれ出てくる。

    「んんんん♡♡♡♡コレで、繋がろう?みくぅ♡♡♡」

    抜かれた尻尾をすぐさま双頭ディルドへと変質させる。
    互いに気持ちよくなるためにはこれが一番だと直感した。
    正常位の姿勢で、グイッと互いの秘部を先端に押し付ける。

    「にゃぁぁぁぁん♡♡♡♡らめぇ、李衣菜ちゃんのおまんこ、押し広げられているよぉ♡♡♡」

    「あああああっ♡♡♡♡みくのおまんこもこれ、ダメぇ♡♡♡」

    ミヂミヂと押し広げられる膣内。
    二人は自分のモノではないカラダで性感を教え込まれる感触を存分に味わった。
    舌を突き出し、キスをしながら互いに高め合っていく。
    もうどちらがどちらでも良かった。

    「やっ♡♡はっ♡♡動いてりゅ、中も外も動いてりゅにゃぁぁぁ♡♡♡」

    ディルドが脈動し、ビクビクと動く。
    まるで相手の気持ちよさをこちらへ伝えるように。
    腹の中が蠢いて子宮がパンパンに膨らむ。

    「どう♡♡みくぅ、気持ちいい?気持ちいい?んぁああああっ♡♡♡♡」

    みくのカラダで、李衣菜がみくへと問いかける。
    最早何を言っているかも分かっていないような様子。
    だが、それでも伝わった。
    二人は同じことを考えていたカラダ。

    「だめにゃ、りいなちゃ、りいなちゃんの、カラダでイっちゃうぅぅぅ♡♡♡♡」

    李衣菜のカラダでみくもまた、ぐしょぐしょになっていた。
    性感が高まり、絶頂しようとする。
    それでも耐え、二人同時になろうとした。

    「私も、らめ、みくのカラダでイく♡♡♡」

    李衣菜のその台詞がトリガーだった。
    もう、イッていいんだと、解放されていいんだと。
    二人は同時に決壊し、快楽の濁流にのまれて行く。

    「「イっくぅぅぅぅぅぅ♡♡♡♡♡」」

    全身を激しく痙攣させ、ベッドのスプリングを軋ませる。
    防音された部屋だが、隣に聞こえていないだろうか。
    そのような心配をする余裕などどこにもなかった。
    何度も、何度も絶頂し、震え、涙を流す。

    「はぁー、はぁー♡♡♡」

    「ぜぇー、ぜぇー♡♡♡」

    蝉時雨のような音は徐々に鳴りを潜め。
    ゆっくりと荒い呼吸音のみになっていった。


    二人は乱れた息を整え、揃ってベッドで向き合い、抱きしめ合っている。
    カラダは元に戻っていた。
    無意識に移動してしまったのか、上書きしてしまったのかそれは二人には些細な事である。

    「すご、かったにゃぁ♡♡♡♡♡」

    ねっとりとほほ笑むみく。
    幼かった彼女は、この数時間で大人になった。
    妖艶な笑みを蓄えている。

    「そうだね……ロックだったぁ♡♡♡♡」

    李衣菜もまた、さわやかさの奥にエロさをみせていた。
    きっとこれからアイドルの幅が広がっていく事になるだろう。
    しかし、二人にとってその活動はどうでもよかった。

    「これ、もっと皆に教えてあげなくちゃいけないにゃ♡♡」

    346プロには多数の美少女たちが在籍している。
    この気持ちよさを知らないなんて、勿体ない。
    可愛ければ可愛いほど、気持ちよくなれる。

    「うん、そうだよ、皆で気持ちよくならないと♡♡♡」

    仲間外れはロックじゃないから。
    そう言いながら、彼女達は本能のままに次のターゲットをどうするか考えていた。
    だが。
    それよりも一番大事な事が二人の中にはあった。
    もう言わずとも分かる事。

    「でもその前に……」

    「「もう一度しよ(にゃ)♪」」





    後日

    「お疲れさま、二人とも」

    二人はラジオ番組に出演していた。
    346プロのアイドルが紹介されて行く番組である。
    その中でも息ぴったりな言動を繰り返すアスタリスクの二人。
    MCを務める城ケ崎美嘉も思わず笑ってしまうほどであった。

    「ありがとうにゃ、美嘉ちゃん!」

    「ありがとうね美嘉」

    収録が終わり、ON AIRの文字が消えたところで三人は一息ついていた。
    激しい掛け合いをしたからこそ疲れてしまうのは当然なのだが。
    折角の機会だったこともあって引き続きおしゃべりを楽しんでいたのである。

    「そうだ美嘉ちゃん、今からみくたちの部屋で打ちあげしない?李衣菜ちゃんがご飯作ってているんだにゃ」

    「まぁそんな自慢できる程の腕じゃないけど、良かったら」

    ポンッと両手を身体の前に合わせて頭の上に電球を光らせるみく。
    唐突な誘いであったけれども、李衣菜は苦笑しながら美嘉に勧める。

    「へぇ、収録中言っていた奴?美味しそう!」

    例のハンバーグだ。
    美嘉も正直興味が沸いていたのである。
    食いついた彼女に、二人は内心ひっそりと笑みを浮かべていた。
    次の獲物が釣れた、と。

    「じゃぁ、決まりだにゃ!先に部屋に戻っているから待っているにゃ~!」

    「あ、ちょっとこらみく!じゃぁ、また後で!」

    パタパタとせわしなく出て行くみく、それを追う李衣菜。
    名コンビを思わせる二人を美嘉は先輩として優しく見守る。
    彼女もスタッフにお疲れさまでした、と律儀に挨拶をしてみくの部屋へと向かった。
    そこに何があるとも知らずに。

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